◇　大阪の老舗活版印刷会社の日々の日記　◇

２年間の我慢

昨年から嬉しい事が続いた

依頼を頂いたお客様から高崎さんが制作した事が

わかるようにサインを入れてください　証明みたいなものでと

えっ　名刺なのでそれは渡すときにどうでしょうかねと

それならプレゼントにつけて頂く金箔名刺の裏にくださいと

本当はすべての名刺にも書きたいくらいに俺は嬉しいですよ

この頃は高崎さんに制作してもらいたいという依頼が本当に多くなってきた　

活版印刷はたくさん会社があれどこれは心よりモノづくりをしている

人間にとっては最上級の褒め言葉を頂いていると思う

俺も色々とビジネスをしてきて色々と見てきた

この世の中は薄利多売の商売が８割ほど占めている

要するに「価格の競争」というビジネスである

しかし残りの２割のビジネスは価格でなくその商品の価値を

熟知頂いたりその価値をしっかりと見極めて購入される

価格が高くとも納期が長くともどんな条件が付随しようとも

その商品が欲しい　どあしても買いたいというスタイルのビジネス

要するに「ブランド」という言葉

これを構築するのに実は俺も２年間はずっと勉強して我慢して価格今の位置に

持ってこれた自負がある　まぁ競争に巻き込まれず俺は俺のスタイルを貫いた

本当につらい２年間　できる仕事　利益のでる仕事でさえ

自分のブランド確立の為に喉から手が出るほどの仕事も断ってきた

自分が納得いくモノを作りたいから　恥ずかしいものを出せない

こだわりたい　リスクは高いがチャレンジしてより高度な位置に

自分を持ちあげていきたい一心であった

今こうして高崎さんに・・・という言葉は本当は涙の結晶でもある

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