2012年02月29日
◇ 寂しさ ◇
本当にこの頃は活版印刷の廃業の相談が多い
特に関西地区は本当に多いと思う
今も数件の相談を受けて取りあえず全てお会いは出来ている
色々とお話をされる 本当に色々な物語がそこに有った感じがする
その人の人生 その人の家族 その人の一生が詰まっている宝箱みたいである
どの活版印刷の会社の人も機械の事を「こいつ」と呼ぶ
こいつに色々と助けてもらったわとか こいつは本当に良く動いたとか
こいつで食べさせてもらった・・・と
子供のように また家族の一員のようにかわいいのだと思う
ビックリするのは本当に今でもすぐに稼働するようなたたずまいでもある
だからみなさんは 「こいつをスクラップにするとこを見たくない」と言われる
僕は色々なメディアに出ているので大体の活版印刷の人は新聞やテレビを
見て僕を知って頂ける
あんたにこいつを任せたよ・・・と言われる
ポツンと小さな倉庫に ひっそりと現役を終えて佇む活版の機械たち
僕を見るなり本当に温かい目で話かけてくれる
スイッチを入れる それも数年ぶりの電気を入れる
一気に血液が回る モータの音がこだまする
ウィーン・・・何年も座っていたこの場所で少し言葉を発する活版の機械
ゆっくりとレバーを入れる ガッシャンガッシャンと音を立てて動き始める
それはなにか人間にも見える
おい 高崎よ 俺はまだ動くんや まだまだ動きたいんや
でも 俺はもうすぐペッチャンコになって鉄くずになるねん
でも俺の時代はもう終わってん だから仕方ないねん
でもな 俺にも全盛期はあったんやで 俺も毎日毎日遅くまでフルて゜
動いてみんなと共に頑張ってきたんやで なぁ高崎よ
本当に冗談でなく僕はそいつを動かすレバーから鼓動が聞こえてきた
まさしく人間と同じだと思う
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